入れ歯治療のポイント
歯を失ってしまった場合、そのままにしていると周りの歯が動き、噛み合わせのバランスが悪くなってしまいます。むし歯や歯周病といった口腔トラブルの原因にもなるため、入れ歯などで補うことが大切です。
入れ歯治療のポイントは、ご自身にぴったりの快適な入れ歯を選ぶこと。入れ歯が外れやすかったり、痛みを感じたりする場合はお口に合っていないサインかもしれません。当院では患者様一人ひとりのお口の状態を丁寧に診査し、噛み合わせやあごの動きまで細かく確認しながら、最適な入れ歯をご提案しています。

部分入れ歯と総入れ歯
部分入れ歯
ご自身の歯が残っている場合に使う入れ歯で、失った歯の数や場所によって、様々な形や大きさのものがあります。残っている健康な歯にクラスプという金属のバネをかけて入れ歯が動かないように固定するため、支えとなる歯に負担がかかりすぎないよう、設計を工夫することがとても大切です。
総入れ歯
すべての歯を失ってしまった場合に使う入れ歯で、歯ぐきの粘膜に吸盤のようにぴったりと吸着させて安定させます。口全体の噛み合わせや唇や頬のふくらみを再現する役割も担っており、顔の印象を自然に見せる上でも非常に重要です。
入れ歯の種類
使う材料によってさまざな種類がある入れ歯。
保険診療の入れ歯と「ノンクラスプデンチャー」や「金属床」といった自由診療の入れ歯に分けられます。
当院では患者様の状態に合わせたピッタリの入れ歯をご提案。
丁寧なカウンセリングを行っていますので、ぜひご希望をお聞かせください。
保険診療の入れ歯
部分入れ歯・総入れ歯のどちらも作成可能。
部分入れ歯はクラスプで固定するタイプ、総入れ歯は主にプラスチック(レジン)で作られます。
メリット
- 保険適用内のため費用が安い
 (3割負担の場合、部分入れ歯で5,000円~15,000円程、総入れ歯で15,000円程度)
- ほとんどの症例に対応できる
デメリット
- 強度を保つために厚みがある
- 部分入れ歯の場合、金属が目立つ
- 耐久性が低い(3~5年程度)
- かみ合わせの調整が難しい
ノンクラスプデンチャー(自由診療)
審美性に特化した、見た目がとても自然な部分入れ歯です。
薄さ・軽さと弾力性・強度を兼ね備えた特殊な樹脂でできており、入れ歯を入れていることが周りからほとんど分かりません。
メリット
- 見た目が自然
- 口によくフィットする
- 発音がしやすい
- 金属アレルギーでも使用できる
デメリット
- 保険適用外のため費用が高額
- 修理や調整が難しい
- 一部、使用できない症例がある
金属床の入れ歯(自由診療)
歯ぐきに触れる主要な部分が薄い金属で作られた入れ歯です。
金属なので他の入れ歯に比べると床部分を薄く作れるのが特徴。温度も伝わりやすく、入れ歯でも美味しい食事が楽しめます。
メリット
- 装着時の違和感が少ない
- 熱を伝えやすいので食事が楽しめる
- 発音がしやすい
- 強度が強く破損しにくい
デメリット
- 保険適用外のため費用が高額(一般的に20~60万程度)
- 修理や調整が難しい
- 金属アレルギーのリスク
自由診療の入れ歯の費用
当院の自由診療で作成する入れ歯の費用は次の通りです。
- ノンクラスプデンチャー:165,000円(税込)
- 金属床入れ歯:330,000円(税込み)
※一般的な金額です。症状によっては追加費用がかかる場合があります。
入れ歯の作成にかかる期間
新しい入れ歯が完成するまでには、保険診療・自由診療ともに、ある程度の期間がかかります。これは口にぴったり合う快適な入れ歯を作るために、精密な検査・処置・作製を行っているからです。
「口の型取りと噛み合わせ位置の記録」→「仮歯による歯並びや見た目の調整」→「患者様の了承後、入れ歯の製作」→「患者様の口に合わせての調整」と多くのステップを踏んで完成する入れ歯。そのため、通院期間が長くなることに注意しなければなりません。
具体的には、保険診療の入れ歯が2週間から1ヶ月程度、自由診療の入れ歯が2~3ヶ月程度。入れ歯を作る前に抜歯が必要な場合はさらに期間がかかります。当院ではお急ぎの患者様にもできる限りの対応をしておりますので、お気軽にご相談ください。
 
装着後の入れ歯ケア
入れ歯は作って終わりではありません。
長く快適に使い続けるためには、ご自身の歯と同じように毎日のお手入れと定期的なメンテナンスが必要です。
ご自宅での入れ歯ケア
毎食後、水道の水を流しながら専用のブラシを使って優しく磨いてください。このとき、歯磨き粉は入れ歯の表面を傷つけてしまうので、絶対に使わないようにしましょう。乾燥を防いで細菌の繁殖を抑えるために入れ歯洗浄剤を入れた水で保管するのもおすすめです。
当院での調整・修理
入れ歯の不調を感じてもご自身で調整したり、壊れたまま使うのは絶対にNG。何か問題や違和感があった場合は、必ず作成したクリニックに相談することが大切です。
特に、新しい入れ歯の使い始めは粘膜に当たって痛みが出ることも。また、長い間使っていると、あごの骨や歯ぐきが少しずつ痩せて入れ歯が合わなったり、過度な力が加わって破損したりすることもあります。
当院では定期健診でのチェックなど患者様に寄り添った入れ歯ケアを行っています。入れ歯の不調は口腔トラブルを引き起こす原因になりますので、不安があればすぐにご来院ください。
 
                